四十で惑わず、五十にして天命を知る

~海外在住 中小企業診断士&FP1級技能士MASAのブログ~

2度目の転職~決断までの葛藤~

第16稿です。

私の転職先からの内定(転職に至る背景は前回記事をご覧ください)を待っている間、ふと新聞の求人広告が目につきました。

ある大手の事務職正社員の中途採用広告でした。

結婚に伴い、彼女は勤務していた会社を退職していました。

派遣事務職という立場ではありましたが、かなりの裁量で仕事をしていて、職場の仲間も信頼してくれていました。

退職をみんなで惜しんでくれたと聞きます。

でも寿退社ということでみんな温かく送り出してくれたようです。

先の求人広告を見せ、「受けてみたら?」と勧めてみました。

彼女が退職した会社では派遣事務職という立場だったので、同じような仕事で正社員という選択肢があるのであればよりいいのではないかな、と思ったものでした。

「受けてみようかな」

履歴書や職務経歴書などの必要書類を提出。

書類選考に通り、まずは本社での筆記試験に合格。

正確な数字は憶えていませんがかなりの人数が受けていたといいます。

その後、何度か面接があったそうですが、なんと内定

かなりの競争率だったと聞きます。

同じ業界での実務経験を買われたのだと思います。

少し遅れて私の採用内定も頂きました。

当時二人の間には生まれたばかりの赤ちゃんがいました。長男です。

ふと考えました。

私がこれから入っていく会社のイメージは激務、子供は生まれたばかり、妻も商社員として働きに出てしまったら家はどうなるんだろう?

妻も私も大きな変化を前にして悩みに悩みました。 二人で相当長い間どうするか話し合ったように思います。

その結果、妻がせっかく得た内定は辞退することと結論付けました。

当時から女性が子育てをしながら働くことはありましたが、商社業界の実態はどうなのか、全くわかりませんでした。 何がベストか我々の中でわからずいろんな人に聞き回った記憶があります。

妻の伝手で私の転職先の人にも聞いてみました。「当社の中に共働きをしている人は殆どいない」、と言っていました。 妻のほかの友達で、占いを得意とする人がいましたが、その人の占いによると、「○○(妻の名前)が働いたら家が落ち着かなくなる」とも。

せっかく授かった子供はきちんと親の手で育ってほしいという思いはありました。 これは私の母が専業主婦で子供たちに時間を割いていたのを見ていたからだと思います。

今でこそ、会社で働きながら子育てをするのをサポートする制度はいくつかあることがわかっていますので、基本的には問題なさそう、とも思えます。

当時は実態がわからず情報が少ない中で迷いに迷いました。

妻の辞退を決めたとき、先方の人事の方からは、本当にいいんですか、働きながら子育てしている人もいますよ、と何度も念押しをされましたように思います。

「はい、結構です」、と妻が返信したのを憶えています。

今でも思います。

あのとき内定を辞退することにするののであればなぜ応募するように勧めたんだろう?

彼女の人生を大きく変えてしまったかもしれない、と。

息子にも娘にも妻に直接関わって貰ったことで、子供にいろんな機会を与えてやれることはできたと思います。

でも彼女のキャリアの機会を奪ったかもしれないことについては、いまでも深い懺悔の気持ちがあります。

いまでもあの時の決断を思い出すと何とも言えない気持ちになります。

つらい決断を経て、3社目の入社を迎えました。

次回からは転職後の様子についてお話ししたいと思います。

目次へ 前のページへ 次のページへ

参考になったら投票いただけると助かります。

読者の皆さんの反応を今後提供する記事の参考にしたいと思います。

PVアクセスランキング にほんブログ村