ある失敗~ファシリテーション~
第21稿です。
仕事の話に戻します。 前回までの職歴の話は以下の通りです。
異動先の部署にも少しずつ慣れてきたあるとき、商品の戦略を検討する会議をすることになりました。
これは、各国で商品を担当している人が本社に集結して行う大きな会議。
部内で準備委員会が組織され、私もそのメンバーになりました。
誰が司会をしますか?という話になりました。
当時の幹部からの問いかけだったように思います。
商品知識、市場動向、仕入先の状況などについて熟知していたわけではないのですが、過去にプロジェクトマネジメントを少し経験していたし、プレゼンテーションをしたりする過程で順番を事前に考えて説明することも今までやってきたことだったし、それなりにできるかな、と思って「私がやります」と手を挙げました。
事前にシナリオを作り、段取りを事前にシミュレーションしそれなりに準備できたつもりでした。
そして本番。
本会議は各担当者のプレゼンテーションによる情報共有、いくつかのテーマに関するフリーディスカッション、の大きく分けて2つのセッションを準備したように思います。
前半のプレゼンテーションまではシナリオ通りに進めることができました。 考えてみれば当然です。それぞれが準備したプレゼンテーションを発表するのを時間を見ながら差配するだけですので。
ところが後半のフリーディスカッションが問題。
全く議論を回せない。
こういう役回りをファシリテーションとよぶことを後になってから知ったのですが(恥ずかしながら当時知りませんでした)、テーマについての突っ込みどころがわからない、出席者の意見を効果的に引き出すことができない、その結果、何に向かって議論しているのか途中でわからなくなる、という事態になってしまいました。
見るに見かねて当時のトップがベテランにファシリテーションを渡し、ようやく議論が回った覚えがあります。
大失敗でした。
大勢の前で非常に恥ずかしい思いをしたことを思い出します。
振り返ってみて、こうすべきだったな、と思うことは・・
1)議論するテーマについて事前によく学んでおくこと
テーマについての事前学習をしっかりやっておくべきだった。 いま何が課題で、何を解決しないといけないのか、そのためのハードルは何か、いままでどういう取り組みをしてきたのか、などについて事前に把握し、自分なりの仮説を持っておくべきだった。
2)出席者の経歴、現在の担当範囲について事前に把握しておくこと
不特定多数の人が出席するわけではなく、社内の会議なのでやろうと思えばできたはずです。
意見を求める際も経歴や経験に基づき適切な人を指名し、効果的な意見を引き出すことができたはずだと思います。
段取り八分。
頭ではわかっていたはずなのに。
いま考えれば事前に準備できたことばかり。
できるかもしれない、という根拠のない楽観が生んだ悲劇でした。
悲観的に準備して楽観的に実行しろ、というのもよく言われること。
当時もその言葉を知っていたはずです。どこか自分だけは大丈夫、といった心の隙があったように思います。
痛い経験しないと人は学ばないのでしょうか。
自分の評価は下げたかもしれないけれど、いい学びだったと思います。
次回もしばらく経験談をお話ししたいと思います。
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