1人の日本人として海外を見る~サウジアラビア(2)~カルチャーショック
第58稿です。
前稿では初回の駐在で緊張しながらサウジアラビアに入国したことをお話ししました。
良く知られているようにこの国は敬虔なイスラムの国です。
アルコール類の持ち込み、消費、販売は一切禁止。
私がいる間に、西洋人が酒を友人宅で飲んだ上でクルマを運転し中央分離帯に衝突したところを警察に見咎められて留置場に入れられた、という話を聞いたことがあります。
新聞や雑誌、あるいはCDのラベルに至っても、女性の肌が見える部分は全てマジックなどで黒く塗りつぶされて流通していました。
女性はアバヤと呼ばれる目の部分だけ開いている黒い衣装に身を包んでいましたので、国内で女性の素顔を見ることは殆どありませんでした。レストランなどサービス業もすべて男性という徹底ぶりでした。
当時は女性がクルマを運転することも禁じられていましたので、数年前にこの国が改革の一環で女性の運転を解禁したことは、自分の中では非常に大きく驚きました。
この国への赴任は結果的に足掛け2年でしたが、その期間にサウジアラビア人と業務上も個人的にも接点は皆無でした。
職場で付き合う人々はすべて現地の人ではなく外国人でした。
サウジの人口は当時3000万人くらいでしたが、確かその3分の1は外国人だったと思います。
仕事で接点があったのは、同じように駐在している日本人、設計会社から来ている台湾人、イエメンなどの周辺中東諸国から出稼ぎに来ているドライバーや秘書など、協力会社の韓国人、現場作業長をやっていたフィリピン人、現場作業員のインド人、パキスタン人、ネパール人。
お客さん側では米国系の石油会社とサウジの石油会社との合弁会社だったので、普段私が接点があったのは米国を中心とする西洋人やそこで働くインド人など。
サウジ人はお客側の合弁企業のオーナー側にいたと思うので雲の上の存在という印象でした。
ヒラ社員での赴任でしたのでオーナー側のサウジ人と接する機会がなかっただけかもしれません。
当時誰かに聞いたこととして、サウジのような資源国は、持てる者が偉いという発想。
汗水たらして働くことは外国人に任せるんだ、と。
サウジ人に直接の知り合いがいないのでこの説を確かめる術はないのですが、そう感じても不思議ではないくらいでした。
労働に価値を見出す私のような1日本人としては、あまり理解しにくい感覚でした。 資産を持って誰かにそれを管理して貰い、自分はその利益を頂くようなイメージなのでしょうか。
私の中ではカルチャーショックを受けたことの一つでした。
次回もしばらくこの国について話そうと思います。
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