1人の日本人として海外を見る~欧州(3)~花の都パリ
第65稿です。
前回はポーランドのアウシュビッツ収容所を訪れたときのことをお話ししました。
今回はトーンの全く異なる話です。
パリが自分にとって初めて足を踏み入れた欧州大陸でした。2000年代前半だったと思います。
その後、何度か訪問する中で、週末を挟んでの出張も何回かありました。
休日には、現地駐在員に案内してもらい、エッフェル塔のふもとのレストランでカキを食べたり、現地在住の日本人の方に案内して貰ったり、ときには日本人ガイドとともにルーヴル美術館を丸一日かけて巡ったりしたこともあります。
当時ワインは一切飲めなかったのですが、あるときパリを訪れた年のボジョレーが当たりだったようで、それからというもの、ワインと言えば赤しか飲まない、といった時期もありました。
それぞれの一つ一つが楽しく印象に残っていたと思っていたのですが、こういう機会にお話ししようと思っても何がどう楽しかったのかよく思い出せない。
そのあと、いろんな本に出会い、欧州の歴史について知る機会がありました。
その中には、イギリス、フランス(そしてドイツも)はまとめて理解したほうがわかりやすい、とある。
特にイギリスとフランスはもともと同じ王朝が支配していた、とある。そしてイギリスでも国王に近い上流階級はフランス語を話し、下層階級が英語を話していた、とある。英語の語彙にもフランス語から来たものがたくさんあって、高級な料理はフランス語から来ていて、庶民の食べ物は英語、とある。
訪問したときにはそんなことは知りませんでした。
知っていればひょっとしたら現地の人との会話で何か面白い知見が得られたかもしれない。
時代背景、文化背景を知らずに有名なところをいくら巡ってみても全く身にならないのではないか、という考えに至ったのは、この話を紹介しようと思ったつい最近のことです。
結局、出張の合間にパリに行って楽しかった、というのは快楽としての楽しさであって、その場で消えてしまう刹那的なものだった、ということだと思います。
小学校か中学校の修学旅行で、田舎から京都、奈良に行きましたが、そのときは、数日かけて百科事典などを紐解いて、寺院の由来や歴史、創始者などを丹念に調べ、「修学旅行のしおり」のようなものをみんなで作ったものでした。
本当に自分の血肉になる訪問をするためには、事前の教養は必要だな、と痛感しています。
いまはコロナでどこにも出られませんが、もしまたパリに行ける機会があったら、20年前よりも多少歴史的な知識があって、目に入ってくるものも、得られるものも変わってくるだろう、と思っています。
そんな気負って旅行しても楽しくない、と思う人も多々いるとは思いますが、知らないより知っているほうがいい。
そのほうが人生を豊かにできるのではないか、という気がします。
結局いろんなことに興味を持つ、ということですかね。
欧州は旅行で行ったことはなく、すべて出張でした。
振り返ってみれば、フランスのほかは、イギリス、ドイツ、イタリア、スイス、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、と多くの国を仕事で訪問しましたが、それぞれの国の特徴や文化、歴史などを踏まえて訪問し、現地の人と会話ができれば深みのある訪問にできただろうと思います。
今後訪問する機会があればぜひ心がけたいと思っています。
反省文みたいになってしまった欧州編は終わり。
考えが纏まってお話しできるようになればまた別の機会にお話ししたいと思います。
次回は現在いる国(東南アジア)についてのお話をしようと思います。
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今後の記事の参考にしたいと思います。
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