四十で惑わず、五十にして天命を知る

~海外在住 中小企業診断士&FP1級技能士MASAのブログ~

日本人としてのプライド・美学

第76稿です。

海外で暮らしたり、外国に訪問したりする際に思うことがあります。

それは日本品質に対する人々の信頼が厚いこと。

MADE IN JAPANは高品質という認識が世界に浸透しているように思います。

ここブルネイでも家電製品にわざわざ日本製というステッカーがデカデカと貼られていてそれが売りになっていることは明らかです。

中東にいたときも、商店では必ず日本製だよ、と店主に声を掛けられて売り込みをされました。

なぜ東洋の島国が世界に求められる品質への信頼を獲得し得たのか、ずっと疑問でした。

海外駐在経験豊富な、ある技術者の方と会話する機会がありました。

日本人駐在員として、自分は会社の看板を背負っているし、日本という国も背負っている、だから会社としても日本人としてもお客さんに対して恥ずかしい商品は出したくないし出せない、そのために何度も入念に確認するし、現地スタッフにも確認することを求める、というようなことを言っていました。

その人曰く、日本における製造現場でも同じ。現場には品質の鬼みたいな人がいて、工程から出てくる製品を監視し、少しでも通常と外れた兆候があれば、たとえ最終製品が仕様書内でも原因を突き詰めて、その答えが出るまではモノを出さない。場合によっては容赦なくやり直しを命じる、という姿勢があると言います。

その繰り返しが品質への信頼を育ててきた、というものだそうです。

ISO9001など、品質を維持するしくみはありますが、そういうしくみに頼る以前に、品質を作り込む職人気質、英語で言えばWorkmanshipという心意気がこれまでの日本品質の源泉だったのかもしれない、と感じました。

これは製造業に限らず、サービス業でもおそらく同じだろうと思います。自分の提供するサービス品質を維持しよう、という心持を常に持っている、というのは日本の礎だったのではないかと思います。お客さんを喜ばせるおもてなしの心、とでも言うのでしょうか。

それが日本国が他国と差別化できるポイントであり、そういう気概でモノやサービスを提供している人たちがいることを、同じ日本人として誇らしくも思えます

ある意味、日本人としてのプライド、あるいは美学とでも言えるのかもしれません。

ところが、この20年くらいの間で、クルマの燃費偽装、リコール隠し、製品の品質データ改ざん、など、日本のモノづくり現場への信頼を疑わざるを得ないような事件が相次いでしまいました。

現場の気概はどこに行ったんだろう、日本のモノづくり力は低下してしまったのだろうか、とも危惧しています。

さらには、先日ZOOMでのある会合で、周辺アジア諸国、特に中国や韓国も過去の日本人と同じような精神でモノづくりをし始めている、とのコメントをされている方がおり、日本人として非常に脅威を感じました。

日本人としての品質を作り込む文化を持ち続けたい、それが日本国の競争力に繋がる、と思うのですがこの国の行く末が心配です。

一人の日本人として何ができるのか、いつも考えるのですがまだ答えは出ていません。

f:id:QYE04202:20200830073656j:plain

Photo by Andrey Grushnikov on Pexels.com

参考になったら投票いただけると助かります。

読者の皆さんの反応を今後提供する記事の参考にしたいと思います。

本論とは離れますが、中小企業診断士仲間が面白くためになるブログを書いていますのでご紹介します。

私はいつも勉強させて貰っています。

www.shindanshi-kenken.com中小企業診断士けんけんの部屋-中小企業診断士試験対策中心で筆者自身の受験経験を余すことなく伝えています。読み手に優しい記事は読み物としても面白いです。秘伝ノウハウ販売も始まっています。

hide-syaroushi-shinndannshi.hatenablog.comひでのつぶやきブログ-中小企業診断士と社労士のダブル資格をもつ筆者が、わかりやすい言葉でいろんな制度を解説してくれています。1回1回の記事はテーマを絞って解説されていて、非常に勉強になります。

www.shindanshi-shinblog.com中小企業診断士shinblog-中小企業診断士試験を受験する人に向けてリズミカルな文章で分かりやすくポイントを解説しています。受験対策としても、また読み物としても面白いです。また、ブログの構成もわかりやすく、ほしい情報にアクセスしやすいブログです。

PVアクセスランキング にほんブログ村