書籍に出会う~「フランス人は老いを愛する」
第78稿です。
50歳という年齢を迎えて、自分の今後のキャリアやこれからの人生に思いを馳せることが多くなってきました。
このブログを書き始めたのもその問題意識からでした。
40代まではあまり感じなかったけれども、老いというものに対する漠然とした恐れを感じるようになってきました。
何となく老いについて考えるとそこはかとなく憂鬱な気持ちになることもあったのですが、そんなときに出会った本がこれでした。
この元外交官の筆者が書いた本はKindle Unlimitedで読むことができました。
筆者はインドで任官中に出会ったフランスのカトリック女子修道会と関わりがあったそうです。
それが縁で、退官後に修道会の本家本元であるフランスに渡り、長期滞在して老人ホーム敷地内の女子修道院でボランティアをした経験を綴ったものです。
筆者によると、フランス人は定年退職や引退を楽しみにして生きているそうです。
フランスには老いを「人生の実りと収穫の秋」と考える文化があるといいます。
翻って自分を見たときに、とてもそんな境地にはなっていません。
むしろ退職したあとに自分に何が残っているのだろうか、という心配のほうが先に頭をもたげてきます。
これが一般的な日本人の傾向なのかどうかはわかりませんが、同じような悩みを同世代の人と話したときに共有したことがあるので、私特有の心配ごとでもなさそうです。
本書の前書きには老いを生きるフランスの人々の精神をよく表現したことわざや格言として以下のようなものが紹介されています。
1) La vie est belle.
英語ではLife is beautiful.でしょうか。人生は美しい、と賛美するとともにそうあろうと自分たちを鼓舞するニュアンスもあるようです。
2) C'est dans les vieux pots qu'on fait la meilleure soupe.
いちばんよいスープができるのは古い鍋の中である
老いを賛美する言葉だそうです。
3) Un vieux four est plus aise a chauffer qu'un neuf.
古いかまどは新しいかまどより温めやすい
これも2)と同様に老いを賛美する言葉だそうです。
4) Il n'est rien comme les vieux ciseaux pour couper la soie.
絹地を裁断するのに古いはさみに優るものはない
高齢者の人生経験は、繊細さを擁するあらゆる仕事をするときに最も効果的な道具になる、という意味で、高齢者の経験を賛美することわざだそうです。
人生は最後まで楽しもう、という考えに貫かれたフランス人の考え方はとても勇気づけられます。
そして、自分の余暇を自分よりも弱い立場にある人への支援に捧げよう、という人が多い、というのも目から鱗でした。
その活動がまた、自分自身に対しても生きる喜びを与えてくれるそうです。
これからも悩むたびにときどき参考にしたい本です。
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読者の皆さんの反応を今後提供する記事の参考にしたいと思います。
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