失敗の経験~印象深い出来事⑥~自分ごととして
第158稿です。
目先で片付けなくてはいけないことが多々できてしまい、前回の投稿から2週間程度空いてしまいました。
前回は新製品の失注に関して反省会をしたときの話をしました。
今回は別の失敗談を。
あるとき製造上の大きなトラブルで出荷が遅れそうになったことがありました。
それを知り得たときに上司の課長に相談しました。
今となってはどういうトラブルだったのかも全く記憶していませんし、その品種は自分の担当ではなかったので、何で相談したのかは全く憶えていません。
課長曰く、すぐに事業のトップに報告しろ、と。
その言葉を受けてそばを通りがかったトップに「○○製品でトラブルあり出荷が遅れるようです」と声を掛けました。
そうするとトップはムッとした表情で、「いまその製品はどういう状態にあるのか。製造工程でどこにあるのか。」
矢継ぎ早に質問を投げかけました。
問題があるということしか聞いておらず何も答えられなかった自分にあきれるような顔をしてトップは去っていきました。
以前にお話しした新製品開発会議の一件もあって、少しそのトップに苦手意識を持ち始めていた頃でしたので、自分に自信がないこともあいまって、おそらくしどろもどろでの報告になっていたこともあると思います。
結局自分のやっていたことは、ただのメッセンジャーでしかなく、情報に何の付加価値も与えられていませんでした。
それがどういう状況で起こったのか、なぜそうなっているのか、何がわかっていて何がわかっていなくていま現場ではどういう対応をしようとしているのか、といったことを分析するだけの頭が全くなく、トップの求める答えとは到底及ばない回答をしていたのです。
当時は、その製品は担当じゃないしわからなくても仕方ないだろ、と内心思う気持ちもありましたが、たぶんその考えは間違いで、事業を預かる相手の立場になればできるだけの情報収集はしておくべきだった、と後になってみれば思います。
目の前にある仕事にきちんと自分のこととして対処する、ということだと思うのですが、そのときの自分の精神状態や業務負荷の状況によって余裕が持てないこともあり、担当外の案件をどこまでその事象に責任もって対処するか、というのは少し難しい判断だったのかもしれません。
でもきちんと組織や人の役に立つ働きをしようと思うのであれば、そういうこともしっかりやり切らなければいけないのかもしれません。
結局、そのトップは現場のただ事ならぬ雰囲気を感じてすぐに幹部社員を集めて事態把握に努めていましたので、生煮えのふがいない自分の報告であっても多少役に立てたのかもしれない、とも思いましたが、現場の異変を即座に察知して行動に移す姿は非常に印象に残っています。
すでにその方は鬼籍に入られてしまいましたが、自分の考え方、行動様式に影響を与えてくれた方の一人です。
Photo by Emiliano Arano on Pexels.com
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