国際間転勤⑥
前回は旧任地を出立した話でした。
日本にいる家族にもコロナのおかげで会うこともままならず、そのまま日本を出立して一人で新任地に旅立ったときには、いいようもないわびしさを感じたのを強烈に憶えています。
組織に属していて組織の命で旅立ったので、誰かは自分が新任地に向かっているのは認識していたはずではありましたが、このまま自分の気が変わって行かないことにしたらどうなるんだろう、というおかしなことが頭に浮かんだりもしました。
国際間移動ということで組織内でも異例なことだったことで全てを一人で準備する必要があった上に、コロナで極力人との接点を持てなかったため、一層孤独を感じたのだと思います。
新任地に到着したのは夜中でした。
ドラマチックに異国に来た、という感覚は全くなかったですが、何となく寂しさを引きずって来ていたので、そんなに明るい気持ではありませんでした。
いま思うと軽い鬱状態だったのかもしれません。私は医学的な知識を全く持ち合わせていないので、独りよがりな判断でしかありませんが。
経由地で入国を済ませていたのですが、入国の手続きは拍子抜けするくらいあっという間で何のドラマもありませんでした。
目的地に到着したのは夜中でした。確か午前0時前ではなかったかと思います。
空港でタクシーに乗り、予約していた宿泊場所に向かいました。新任地での住居はまだ設定していませんでしたので、しばらくは仮の宿としてAir bnbのレンタルスペースを予約していました。
到着したのは午前1時くらい。
国際間転勤でしたので、大きな荷物を抱えていました。
タクシーのドライバーに手伝って貰ってこの荷物を降ろし、降り立ったのはアパートのようないでたちの建物でした。
共同玄関にはキーロックがありました。
入り口の階段の下にキーロックが置いてあり、暗証番号を入れるスタイルのキーでした。
事前に聞いていた番号を入力するも、玄関の施錠は全く開く様子もなく、何度やっても結果は同じでした。
携帯電話は国を移動しているため全く使えずネットに繋がっていないため大家に連絡することもできず。
向かいに24時間営業していた店があったのでそこで急遽間に合わせのSIMカードを買うもうまく設定できず。。。
無駄に時間を費やすこと約2時間。
結局予定していた宿泊場所には入ることができず、店の店主にタクシーを呼んでもらいダウンタウンに移動、そこでホテルに転がり込んだのが午前4時。
波乱万丈の新任地赴任でした。
あとで聞いてみたら、キーロックは、暗証番号を押して玄関の錠前が開く仕組みではなく、暗証番号を押すとキーボックスが開き、そこにキーが入っているしくみだったということ。
全く気づきませんでした。
こうして最初の夜明けを迎えました。
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