新規ビジネス開拓①
第176稿です。
とにかく新任地に着任しました。
そこでの自分の役割は新規ビジネス開拓といった漠然としたもの。
今度どこかでお話ししたいと思うのですが、ある時点から組織の中で第一級の期待を背負っているという感覚はなかったですし、明示的にこういう風にしてほしいような組織からの要請もなかったので、良くも悪くも自分の中では宙ぶらりんな感じでした。
何の制約条件もないと人間は不安になるというものらしいですが、まさにそういう状態だったのだと思います。それはある意味、自分が何かの制約がないと生きられなくなっていた、ということなのかもしれません。
とにかく自分の拠り所にすべき軸が全くないので、誰と何の会話をして何を作り上げていいのか全くわからない。会社もここに自分を送って一体何を期待しているのだろう、ひょっとして左遷か?何か悪いことしたっけ?などとくだらないことをなかば本気で考えてしばらくは悶々としていました。
ちょうどコロナの真っ只中で引継ぎらしい引継ぎもできず、また新任地は小さい所帯でしたし、特に相談できる人も周りにいませんでした。
というよりも、何を相談したらいいのかもわからない、といった状態だったと言うのが正しいですね。
なぜならば自分の行きたい方向が定まっていなかったので。
とにかく手探りで自分の居場所を作ることを始めるしかありませんでした。
その地場でどういう需要があって、何がビジネスになりそうか、なんてことは、一人で街を歩いていても(そもそもコロナ禍で街もそんなおいそれとは歩き回れませんでした)、インターネットを眺めていても、全く何のアイデアも出てこない。
いままでは、どこかに移動すると、そこにいた人に背景情報を教えてもらっていました。つまり、新任地での必要な情報を事前に与えられることに慣れていたため、完全に待ちの姿勢になっていたのでした。
つまり、自分で何かを探索する、ということに慣れていなかったのだと気づきました。
今までは先人たちが作ったレールに沿って過去のビジネスを取り扱っていたので、そのレールを歩むことに慣れてしまっていたんですね。
これからはこの場所で新規ビジネスをとにかく何かやらなくてはいけない。
つまり道のないところに道を作るようなものだ、という考えに至りました。
地場のことを知るには、わからないなりに地場のメディアに接するしかない、と思い直し、地元の新聞を買い求めることにしました。
そして、朝起きると一定時間をかけて隅々まで新聞を読むことを自分に課すようにしました。
また、クルマに乗るたびにカーラジオで地元のニュースも聞くようにしました。
最初は地名が出てきても全く土地勘もなく何のことかわかりません。
近くの書店に行って地域全体のマップを買い求め、地名らしき固有名詞を聞くたびにマップを開いて、少しずつ地元の情報を入れていくようにしました。
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