四十で惑わず、五十にして天命を知る

~海外在住 中小企業診断士&FP1級技能士MASAのブログ~

1人の日本人として海外を見る~中国(5)~カオスと優しい中国人

第56稿です。

前回は「超載」の列車にギリギリで乗り込んだ話をしました。

qye04202.hatenablog.com

「硬座」(二等車)には足の踏み場のないくらいの人が乗り込んでいました。

車掌さんが通路を通るときは、「走zǒu、走zǒu」(たぶん、どけ、どけ、という意味)と言って床にいる人を踏みつけ、かき分けながら進んでいたのが印象的でした。まるで車掌は偉く、二等車に乗っている市民は下等、と言わんばかりの態度。

平等を理念とする共産主義を標榜しているけれども、この国にも階層みたいなものが存在するのかな、と逆に人間らしさを感じ少し親近感を覚えたことを記憶しています。

しばらくするとその車掌さんが、外国人は特別扱いしなくてはいけないと思ったのか、食堂車に案内してくれました。

食堂車の椅子に座り、夜になったら食卓に突っ伏して寝る、というものでした。快適とは言えませんでしたが、車掌さんの配慮に感謝でしたし、そもそも硬座で立ったまま寝るよりはマシでした。

数時間経つと今度は車掌室に案内してくれて、そこを専用で使わせてくれました。

4人掛けのボックスシートのある個室でしたが、先客として若い人民解放軍の兵士2人がいました。

彼らも特別扱いだったのでしょう。

狭い部屋でまる2日間くらい3人で過ごしました。

筆談で日本のことや中国のことを紹介し合っていたように思います。

一度だけ3人で食堂車に行って食事をしたことを憶えています。いろいろ頼んで1人が割り勘にしたことを一生懸命筆談で説明してくれようとしていたのを印象に残っています。何であんなに説明してくれたのか不思議でしたが、思ったより私の支払分が高かったので少しちょろまかしたのかもしれません。50円とか100円の話、かわいい愛嬌だと思いました。

車窓から見えるタクラマカン砂漠は圧巻でした。

中国人は景色お構いなし青島ビールをラッパ飲みしては窓から空き瓶をどんどん投げ捨てていました。

日本だったら道徳的に許されないと思いますが、中国人は自由に生きているなあ、と変に感心したりもしました。

私が教科書で習ってきた昔の中国は偉大な思想家の国、そして日本の手本になった国、でも目の前の現実はそのお手本とはとても程遠い感じもしてかなり違和感ありましたが、そのギャップがまた面白くもありました。

4日かけて西方の大都市、烏魯木斉に到着。しばらく過ごしたのち、北京に移動、その後、上海に移動し、鍳真(かんじん)号という国際フェリーで帰国し、1か月に渡る旅を終えました。

一言で言うと「很累(hěnlěi)(とても疲れた)」というのが感想。

人の多さとカオスに疲れ果てました。

でも手を差し伸べてくれる心優しい人たちが多く、困ったときに多くの人に助けてもらいました。

休みを使ってわざわざ市内を案内してくれた賓館(ホテル)の服務員、私の列車の切符を取ろうと奔走してくれた宿泊所で知り合ったサラリーマン、列車内で旅行すべき場所を案内してくれた退役軍人夫妻、家に案内してもてなしてくれた日本語を少し話す小姐、などなど。

報道で見るような大国主義をふりかざす共産国家ではなく、我々と同じように市民が暮らす人情あふれる国だった、と思います。

いまや世界第2位の経済大国になり、いろんなしくみも整備され、私が経験したようなカオスは遠い昔のことなのかもしれません。

いつかは前に訪問した場所を再度訪れて中国の変化を実感したいと思っています。

次回は、中東を取り上げたいと思っています。

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