ブルネイ~強力なコロナ対策に思うこと(2)
第75稿です。
前回はコロナ禍の初期のこの国での様子をお話ししました。
ブルネイ政府は毎日夕方から記者会見をし、新規感染者の状況、その隔離状況、濃厚接触者への対処状況、その他関連する施策などを、テレビ、ラジオ、SNSを通じて国民に対して事細かに報告、発表し続けていました。
この情報公開は非常によかったと思います。情報がこまめに更新されるので不必要な憶測を生むことがなかったように思います。
矢継ぎ早に発表された主な措置は次のようなものです。
3月中旬
ブルネイ人、在留許可を持つ外国人の原則出国禁止
国内のレストランでの飲食禁止(テイクアウトは可)
スポーツ施設の営業停止(ゴルフ場、ゴルフ練習場、プール、ジムなど)
映画館、図書館などの閉鎖
マーケットの閉鎖
大規模イベント禁止
3月下旬
すべての外国人の入国禁止
日本含む国際便の大幅減便
中小企業への資金支援
国王による緊急メッセージ(国民に冷静になるよう呼びかける)
ここには目立ったものしか挙げていませんが、毎日少しずつでも新たな取り組みの発表があり、その効果あって、5月初旬には新規感染者がゼロになりました。
その結果、5月中旬には徐々に制限が緩和され、ゴルフ場やレストランも利用できるようになりました。
同時に、携帯電話のアプリも開発され、国内居住の人に登録を義務付けました。
これは、レストランなどの施設に入る際にバーコード読み取りを行うアプリで、事前に各自の健康チェックをするものです。
アプリを通じて各自が健康チェックをし、レストランなどの施設に入る際に店の前にあるバーコードリーダーを通じてオンラインで報告し、政府が各人の健康状態と動静を逐一把握しようとするものです。
日本だと個人情報保護などの観点でなかなか導入が難しいのかもしれませんが感染ルートの把握に有効なのだと思います。
結果として、90日以上に渡って新規感染者ゼロを記録するに至りました。
残念ながら8月に海外から帰国した留学生などの感染が確認され、新規感染者ゼロの記録は一時ストップしてしまいました。
但し感染者の動静はすべて政府が把握しているようで、同じフライトに搭乗したなどの濃厚接触者を辿りPCR検査をさせるなど、徹底した感染対策を実施していますので、一旦緩和した規制はいまのところそのまま運用されています。
日本も緊急事態宣言を出したりなどの対応はしているものの、歓楽街でのクラスターが発生したりなど、報道を見る限りはまだ心配な状況が続いています。
政府が強力で、国民が政府の決定にしたがうことに慣れているブルネイと、いろんな立場の声を取り入れようとする民主主義国家日本との違い、ということなのかもしれません。
あるいは日本の場合は多くの行政機構があっていろんな調整が必要なのでしょうか。
日本のしくみは平和な時はいいのですが、マニュアルやルールにない事態が起きたときの危機対応には弱いように見えます。
日本は、危機下において、民主主義のしくみを維持しながら、どうやって政治がリーダーシップを発揮していくのか、というのがかなり大きな課題のように思います。
写真:バンダルスリブガワン(ブルネイの首都)の夕暮れ
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