書籍に出会う~「自由からの逃走」
第90稿です。
前回は自由のない生活から自由を求めて脱北した少女の話を取り上げました。
今回は逆にその「自由」について考えている本です。
数年前に勤務先の研修の中の課題図書として読んだのが出会ったきっかけでした。
ドイツの社会心理学者によって書かれた本です。
第1次世界大戦後にドイツは国民が自由を享受できる体制ができたにもかかわらず、その数年後にはナチスが台頭し、そして全体主義に傾倒してしまった理由を考察しています。
私は子どもの頃から、戦後日本は自由主義を謳歌してきたと教わりました。
戦後日本が享受している自由主義はこの上ない素晴らしい価値観だとずっと思いこんでいました。
ところが、この本では、人は自由が与えられるとそれに伴う責任の重さに耐えられなくなる、と言っています。
これは私の中では驚愕するに値する発想でした。
以下はAmazonのあらすじから。
『現代の「自由」の問題は、機械主義社会や全体主義の圧力によって、個人の自由がおびやかされるというばかりでなく、人々がそこから逃れたくなる呪縛となりうる点にあるという斬新な観点で自由を解明した、必読の名著。』
最近のコロナ禍の混乱の中で、個人の自由に任せずに国家が強権的に個人の自由を制限し対策をしてきた国々が結果的に成功しているように見えます。ここブルネイもそうです。
個々人の判断に任された瞬間に個々人に責任が発生する、国家が強制的に方向性を示したら個人は責任を取らなくて楽、結果的に強い権力を求める、といった側面もあるのかもしれない、コロナに翻弄される世界を目の当たりにして、過去に読んだ本書の内容を反芻していました。
価値観が多様化し個々の自由度が一層広がっている現在にこそいま一度読み返したい本だと思います。
参考になったら投票いただけると助かります。
読者の皆さんの反応を今後提供する記事の参考にしたいと思います。
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