失敗の経験~印象深い出来事②~新人のとき
第154稿です。
前回は新卒で入った会社での配属のときの話をしました。
その続きです。
同じ部署に配属となったのは自分も含めて5人いました。
前稿で触れたように、チーム配属時の挨拶はなんだか奇妙な感じになってしまったので、気を取り直して、所属部の部長に挨拶に行くことにしました。
ほかの4人は高専卒、大卒、私は大学院卒で、新入社員の中では最年長でしたので、何となく自分から声を掛けなければいけない気がして、ほかの4人に声を掛けたのを憶えています。
部長のところに5人揃って行きました。
大きなフロアのいちばん端の雛壇席で、そこだけ何だか特別なオーラが出ているような感じがしました。
5人全員で部長の前に整列して、
「本日配属になりました新入社員です、宜しくお願いします」
と挨拶をしました。
私がこのフレーズを言ったように記憶しています。
そうすると部長がギロッと睨んで、
「何だ君らは!席に戻れ!」
と追い返されました。
何が起きたのか、何が逆鱗に触れたのか全くわからず、ただひたすら衝撃を受けて席に戻ったのを鮮明に憶えています。
何日か後に、部長と新入社員との交流会がありました。
怖い部長との懇親会の席ということで我々新入社員は全員怯え切っていましたが・・・
その席で部長から、先日の配属時の挨拶した一件について、おおよそ以下のようなコメントがありました。
・地位の高い人と話をするときにはそれなりの筋を通すべき
・新入社員の分際で直々に部長と話をするとは何事か
・話をするのであれば秘書や課長経由でアポイントを取れ
いきなりアポなしで新入社員が直々に話に来たから怒った、という主旨のようでした。
そのあと部内総務をやっていた課長は部長から「教育がなっていない」と叱られたようです。
もともと私は剣道をやっていて(過去記事ご参照下さい)、上下関係が厳格な世界にもいたので、当時は、そんなものかな、と部長の言っていることはわかるような気がしていました。
ところがその後、経験を経ていく中でいろんな事例を見るにつけ、こんな例はむしろ稀ということがわかりました。
実は多くはもう少しフラットな関係、対等ではないにしても部長が新人と直々に話してはいけない、ということは一般的でもない、ということを知ったのはずいぶんあとのことでした。
この一件があってからというもの、自分よりもポジションが2階層以上の人とは直に話をしてはいけないものだと思い続けていて、ずっとその呪縛にとらわれていました。
最初が肝心とはよく言いますが、新人の時期のこの経験は長い間、自分の心のありようを支配していました。
その意味でかなり影響が大きかった一件でした。
Photo by Silvia Heider on Pexels.com
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