失敗の経験~印象深い出来事③~アルバイトで
第155稿です。
前回は社会人1年目のときの印象深い出来事をお話ししました。
ちょっと時間を遡って学生時代。
いまも時折思い出しては後悔をしている出来事があります。
以前に学生時代に飲食店でアルバイトをしていた話をしました。
最初のうちは、周囲が知らない人ばかりだったり、自分とは生き方も興味の世界も異なる人たちの世界だったので、全く馴染めませんでした。
マスターやほかのアルバイトの人と会話をするネタも思いつかず、いつも押し黙ってときどき愛想笑いを浮かべるのが関の山でした。
ところが2年、3年と経過するにつれて店の中の様子もわかってくるし新しい人も入ってくるし、でだんだん自分が古株になっていき、だんだん自分もそれなりに発言ができるようになってきました。
アルバイトはシフト制で、朝の部が11時から17時まで、夜の部が17時から23時まで、となっていました。
夜シフトが終わった後は、マスターを囲んでアルバイトの人たちで食事をして帰るというのが流れでした。
通常は昼だけ、とか夜だけ、とかのシフトで入るのですが、大学での研究の都合がついた平日や、休日などは昼と夜のシフトに入ったりすることもあり、これを「通し」と呼んでいました。
ある日、「通し」でシフトに入って働いた日の食事の席で。
歓談をしている途中に、
「あ~今日も『通し』だった。今日も一日無駄な時間を過ごしてしまった。」
と口走ってしまったのです。
その瞬間は特に自分の中で「口走ってしまった」という感覚もなかったし、罪悪感も何もありませんでした。
誰からも反応はありませんでした。
考えてみれば(考えなくても)当たり前です。
しかも「通し」でシフトに入るたびにその発言を繰り返していたのです。
そばにいるマスターは毎日11時から23時まで「通し」で働いていました。還暦を超えたいまでもやっていると思います。
そこで働くフリーターの人も、アルバイトの人も、「通し」で働く人は何人もいました。
そういう人のことも考えないで、「通し」で働いたら時間を無駄にする、などと発言をするとは。
慣れてきて、それなりに自分の立ち位置も確保しつつあって、何となく自分も少し成長したな、なんて思い違いをした挙句の発言でした。ようやく何でも言えるようになった、と勘違いしていたのです。
それがとんでもない発言だと自分で認識するまでにはしばらく時間がかかりました。
居場所がなかった自分が、居場所を確保しはじめた矢先の、慢心が生んだ傲慢の産物だったといまでも深く反省しています。
思い出すたびに穴があったら入りたいくらい恥ずかしい思いです。
どんな状況、立場でも常に謙虚でなくてはいけないな、と思います。
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(写真はイメージです)
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