あるプレゼンテーションの成功~自己肯定感の回復~
第11稿です。
前回の内容はこちら。
当時のトップの指示で車載ディスプレイ営業の専任担当になりました。
まずは市場を知らないと話にならないのでマーケティングから始めることにしました。
特に当時市場が伸びるのが期待されていたのはクルマに標準装備されるディスプレイでした。
当時、センターコンソール(クルマのカーナビなどがあるあたり)にディスプレイが標準装備されているクルマは高級車を中心にまだまだ希少でした。
でも今後多くのクルマに装備されることが期待できるのではないかと思っていました。
ちょうどパワーウィンドウや電動ミラーといったかつて高級車の装備が、殆どすべてのクルマに装備されるようになったのと同様です。
まずは高級車をターゲットとし納入実績を積んだ後で、徐々にいろんなクラスのクルマに広げていくのがいいと考えていました。
主要国の自動車生産台数、各社の生産台数、車種のラインアップ、車種ごとの生産台数、などを調べることで、ターゲットにできる市場規模を試算することができました。
その上で、自社の強みや今後の開発方向性などの提言をパワーポイントに纏めました。
社内のかなり大きな会議(確か商品別戦略会議と呼んでいたと思います)で発表する場がありました。 社内各部のキーとなる方々が出席した相当大きな会議だったと記憶しています。
これまで、社内では車載ディスプレイの市場を体系的に調査したり纏めた人はいなかったので、出席者の皆さんにとってはかなり目から鱗、だったようです。
口幅ったい言い方ですが、非常に喝采を浴びて会議を終了しました。 あのときの高揚感はいまも実感として憶えています。
当時、数々の営業の失敗(内容はこちら営業部で~使い物にならない?!~ - 四十で惑わず、五十にして天命を知る)で自己肯定感を持てなくなっていました。
小さい成功ではありますが、このプレゼンの成功をきっかけに、自分の得意分野に気づくことができました。
以降、車載専任として社内にはそれなりに知られるようにもなりました。
自分のことを見てくれてこういう役割で使ってくれた当時のトップには非常に感謝しています。
自分の得意分野、強みに気づいただけではなく、人の使い方、という点でも学ぶことのできた経験だったと思います。
自分が部下を重用する立場だったら同じことができるか?15年近く経ったいまも自問自答しています。
こうやって順調な滑り出しを見せた車載担当でしたが、まさか天地を揺るがすほどの激変に見舞われるとは当時は全く想像していませんでした。
次回はそのあたりのお話をしたいと思います。
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